「まず月額はいくらですか」。社内向けチャットボットの検討で、決裁者から必ず飛んでくる一言。公式サイトを開く。初期費用は要問い合わせ。月額も「お問い合わせください」の一文だけ。
見積もりフォームに社名と用途を入力して送信。返ってくるのは営業担当からの電話だけ。資料を3社ぶん集めても、並べられる数字が1つも無い。現場から「他社はいくらだったか」と聞かれても答えられない。比較のしようがないまま、時間だけが過ぎていきます。
AIチャットボットの費用でつまずくのは、たいてい次の3点です。
- あらかじめ流れを決める「シナリオ型」と、AIが答えを組み立てる「生成AI型」で、月額の桁が変わる
- 公式サイトの「要問い合わせ」が多く、比較材料が手元に残らない
- 契約後にFAQの件数やカスタマイズが増え、想定より金額が膨らむ
この記事では、公式サイトに公開された数字だけを使って、次のことに答えます。
- 初期費用・月額費用・オプション費用という3つの内訳の中身
- 各社の公式サイトを1件ずつ開いて確認した、実際の料金
- タイプ以外に費用を動かす5つの条件と、金額が膨らむ典型パターン
- 自社でAIチャットボットを内製した場合の、1問あたりの費用感覚
Saix自身、社内の問い合わせに答えるAIチャットボットを内製し、実際にかかった費用を1円単位で記録しています。ベンダーへの問い合わせで概算すら出てこなかった経験もあるからこそ、作り手であり利用者でもある立場から、机上論ではなく手を動かす前提で書きます。
チャットボットの費用を左右するのはツールの性能でなく、シナリオ型か生成AI型かという入口の選択です。ここを決めずに見積もりを比べても、金額の意味は読めません。
監修者
株式会社Saix 代表取締役
東証プライム上場企業含む100社以上のAI導入支援|リクルートでのAI推進・新卒マニュアル制作経験を経て、Webサイト「AIマニュアル研究所」を運営|YouTubeメディア「かいちのAI大学」4.8万人。
相場を押さえた次に要るのは、自社の場合いくら減るのかという数字です。3分で出せます。
会社のホームページのURLを入れるだけで、削減できる時間と、それを人件費に換算した金額がその場でわかります。入力は5つだけ、3分で終わります。費用はかかりません。
以下の画像の「無料で試算する」をクリックして、まず自社の金額を出してみてください。

※ 画像の金額は表示例です。実際の試算額は入力内容によって変わります。
費用が「幅」で語られる理由|タイプで月額の桁が変わる

「AIチャットボット 費用」で調べると、月額数千円から数十万円まで、極端に幅の広い数字が並びます。この幅は、機能の豊富さだけで生まれているわけではありません。
チャットボットには大きく分けて2つの入口があります。あらかじめ用意した会話の流れに沿って答えるシナリオ型と、AIがそのつど文章を組み立てて答える生成AI型です。
どちらを選ぶかで、月額はひとケタ変わります。相場を1つの数字で覚える前に、自社がどちらの入口を必要としているかを先に決めてください。よくある問い合わせに定型で返すだけなら、シナリオ型で十分間に合います。文章の細かい言い回しまでAIに任せたい場合だけ、生成AI型を検討する順番です。
AI導入にかかる費用を、チャットボット以外も含めて広く知りたい場合は、AI導入の費用|何にいくらかかるのかに整理しています。本記事はチャットボット1製品ぶんの費用に絞って書きます。
内訳は3つ|初期費用・月額費用・オプション費用

チャットボットの見積書に出てくる項目は、呼び方は各社で違っても、次の3つのどれかに収まります。
- 初期費用アカウント発行、初期のシナリオ設定、既存システムとの接続にかかる費用。0円と明記する製品が増えています
- 月額費用利用を続けるかぎり毎月発生する費用。プランの種類・利用者数・対応する会話数で金額が変わります
- オプション費用FAQの追加登録、シナリオの作り込み代行、外部システムとの連携など、標準プランの外側で発生する費用
初期費用は「0円」が主流に|クラウド型が増えた結果
数年前まで、チャットボットは自社サーバーに組み込む形が中心で、初期費用が数十万円かかるのが普通でした。いまはブラウザで契約できるクラウド型が主流になり、初期費用0円と明記する製品が増えています。
ただし0円がすべての条件で続くとは限りません。既存の顧客管理システムと連携させる、独自のデザインに変える、といった作業は初期費用として別枠になることがあります。生成AI型では、資料の読み込みや回答の作り込みに人手がかかる分、初期費用が0円にならない製品も残っています。
月額費用に含まれるもの|サーバー利用料と保守が中心
月額費用の中身は、サーバーの利用料と、システムを動かし続けるための保守がほとんどです。プランが上がるほど増えるのは、対応できる会話の量と、AIが参照できる資料の量です。
オプション費用は見積もりに出にくい|運用開始後に静かに積み上がる
見積書の時点でオプション費用として明記されるのは、Excelからのデータ移行や、LINE・社内アプリなど設置チャネルの追加くらいです。FAQの追加登録やシナリオの作り込み代行は、契約後に「別途相談」として発生することが多く、見積書には最初から載っていません。
この3つの内訳を先に知っておくだけで、見積書を受け取ったときに「この金額はどの枠に入るのか」を担当者に聞き返せます。次の章で、公式サイトに書かれた実際の金額を見ていきます。
ここまでの内容を自社に当てはめると、年間どれくらいの経費が減るのか。会社のURLを入れるだけで、その場で試算できます。
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※ 画像の金額は表示例です。実際の試算額は入力内容によって変わります。
公式サイトで確認した料金|シナリオ型は月額1,500円から、生成AI型は月額8万円から

相場の記事に出てくる数字の多くは、第三者がまとめた推定です。そこで、実際に公式サイトを開いて金額が明記されているものだけを書き出しました。今回確認した6プランは、全てで金額が明記されていました。
多くの製品が「要問い合わせ」とするのは、利用人数や連携範囲で金額が変わるためで、隠しているわけではありません。
| 製品・プラン | タイプ | 初期費用 | 月額費用(公式表記) |
|---|---|---|---|
| ChatPlus ミニマムプラン | シナリオ型 | 0円 | 1,500円〜(年間契約時) |
| ChatPlus オートAIプラン | 生成AI型 | 0円 | 88,000円〜(月契約) |
| Tebot シナリオプラン | シナリオ型 | 0円 | 9,800円(年間契約) |
| Tebot 生成AIプラン | 生成AI型 | 0円 | 80,000円(年間契約) |
| FirstContact スタンダード | シナリオ型 | 0円 | 2,980円〜(年間契約時) |
| FirstContact 生成AIプラン | 生成AI型 | 100,000円 | 80,000円〜 |
※本記事の料金はすべて各社公式サイトの記載(2026年8月時点)にもとづきます。プラン改定により変わる場合があるため、検討時は必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。
シナリオ型は月額1,500円から|ChatPlusとFirstContactの最小プラン
ChatPlus公式サイトを確認すると、最小のミニマムプランは初期費用0円、月額1,500円(税別・年間契約時)からと明記されていました。あらかじめ用意した回答パターンで応じるシナリオ型は、この価格帯が中心です。
同じChatPlusでも、AIが文章を組み立てて答えるオートAIプランになると、月額は88,000円〜(月契約)まで上がります。1つの製品の中でも、シナリオ型と生成AI型でここまで差が出ます。
同様にFirstContact公式サイトのスタンダードプランは初期費用0円、月額2,980円〜(年間契約時)と、こちらもシナリオ型が入口価格を作っています。3社とも、最初の入口はシナリオ型が受け持つという構図が共通していました。
生成AI型は月額8万円から|初期費用の有無は製品ごとに分かれる
Tebot公式サイトでは、シナリオだけで答えるシナリオプランが月額9,800円、AIが答えを組み立てる生成AIプランは月額80,000円と、いずれも年間契約時の金額で明記されています。初期費用はどちらも0円です。
一方でFirstContactの生成AIプランは、月額80,000円〜に加えて初期費用が100,000円かかると公式サイトに明記されています。生成AI型だからといって初期費用が常に0円になるわけではなく、AIの回答を作り込む初期設定に人手がかかる製品ほど、初期費用として表面化しやすい傾向があります。
生成AI型が月額で高くなる理由は、AIモデルを都度呼び出す従量的なコストが乗るためです。参照させる資料が多いほど、この部分の負担も増える設計になっています。
初期費用の有無で見るべき点が変わる|0円なら月額、有料なら回収期間
初期費用が0円の製品を比べるときは、月額費用と利用上限だけを見れば十分です。一方、FirstContactのように初期費用が発生する製品では、その初期費用を何ヶ月の月額差で回収できるかを合わせて計算してください。
たとえば初期費用10万円の差は、月額7万円安いプランと比べれば1年半ほどで埋まる計算になります。契約期間を1年で区切るのか、3年で見るのかによって、有利な選択が入れ替わることがあります。
ここに挙げたのは3社ぶんの実例です。他社を含めた12製品の詳しい比較は、AI FAQボットの比較|料金の実態と選び方にまとめています。金額を公式サイトに明記していない製品も少なくないため、比較の際は自社の利用者数と対象範囲を先に決めてから問い合わせると、見積もりが早く出ます。
費用が増える5つの条件|タイプ以外にも金額を動かす要素がある

シナリオ型か生成AI型かを決めたあとも、金額を動かす要素が残っています。見積もりを取る前に、次の5つを自社の条件として言語化しておいてください。
| 条件 | 金額が上がる典型パターン |
|---|---|
| FAQ・Q&Aの登録件数 | 問い合わせの種類が多い部署ほど、登録件数の上限で上位プランへ押し上げられる |
| 設置するチャネルの数 | Webサイトだけでなく、LINEや社内アプリにも置くと、チャネルごとに費用が積み上がる |
| シナリオ設計の代行 | 自社で会話の流れを作れず代行を頼むと、初期費用またはオプション費用が発生する |
| 既存システムとの連携 | 顧客管理システムや社内システムとつなぐ開発が入ると、初期費用が個別見積もりになる |
| サポート・運用支援の手厚さ | 導入後の相談や改善提案までを契約に含めると、月額に上乗せされる |
この5つは、契約前の見積もり画面には出てこない項目がほとんどです。担当者が説明を省いているわけではなく、利用が始まってから初めて分かる条件だからです。契約前の打ち合わせで、この5項目を1つずつ質問しておくと、後から出てくる金額を減らせます。
質問リストとして箇条書きにしたまま打ち合わせに持ち込むだけでも、聞き漏らしは大きく減ります。
金属加工の現場を持つ製造業の担当者から聞いた話です。最初は問い合わせ対応だけのつもりで契約しましたが、受発注システムとの連携を追加した時点で、初期費用が当初の見積もりの3倍になりました。
連携の要件は、契約前に洗い出しておくほど安全です。あとから足す形になるほど、開発費は個別見積もりになりやすくなります。
5つの条件のうち、最初に効いてくるのはFAQの登録件数です。契約時点では少なく見積もりがちですが、運用が始まると問い合わせの種類は想定より早く増えていきます。次に効くのが設置するチャネルの数で、社内向けに始めた仕組みを取引先向けにも開放しようとした時点で、追加のチャネル費用が発生する例をよく見ます。
自社でシナリオを設計し、外部への支払いを最小限にする進め方は、社内FAQチャットボットを組む6ステップと費用にまとめています。代行を頼まない選択肢として参考にしてください。
Saixの実物|自作のAIヘルプデスクは、1問あたり平均9円で運用している

既製品を契約する以外に、AIを直接呼び出して自社専用のチャットボットを内製する選択肢もあります。Saixでは社内向けのAIヘルプデスク「サイくん」を内製し、実際のコストを1問ごとに記録しています。
参照方式は、資料を検索用のデータベースへ入れる方式ではなく、公開中のマニュアル全件を要約してAIへまとめて渡す方式です。構造がシンプルな分、開発と保守の手間が小さくて済みます。
既製品の生成AIプランが数万円からになるのは、この参照方式や利用制限の管理を製品側が代わりに作り込んでいるためだと考えると、金額の見え方が変わります。
本番の記録を集計した弊社の目安では、1回の質問にかかる費用はおよそ2.7円から14.8円、平均するとおよそ9円でした。あくまで自社の使い方における目安で、渡す資料の量や回答の長さによって変わります。
月額の上限は3,000円に固定し、到達すると自動で止まる設計にしています。平均9円で計算すると、月3,000円はおよそ330問ぶんに相当する試算です。上限を超えそうな月があれば、そこは「聞かれ方が多いカテゴリ」として、次に整備するマニュアルの優先順位に使います。

既製品の月額が高いか安いかを判断する軸の1つとして、自作した場合に1問あたりいくらかかるかを知っておくと、見積もりの金額を評価しやすくなります。既製品の価格には、開発と保守の手間を引き受けてくれる分の費用が含まれています。
内製と既製品のどちらが得かは、社内にAIを扱えるメンバーがいるかどうかで分かれます。開発と保守を自分たちで担える体制がなければ、多少割高でも既製品の方が総コストは低く済むことが多いです。
ここまで扱ったのは費用の出方だけです。稟議を通すには、この費用に対してどれだけの効果が見込めるかを合わせて示す必要があります。
自社の場合はいくらになるのか、この機会に出してみてください。削減できる時間と金額を、業務ごとに算出します。
以下の画像の「無料で試算する」をクリックして、AIで浮く金額を先に確認してください。

※ 画像の金額は表示例です。実際の試算額は入力内容によって変わります。
失敗・落とし穴|安いプランで契約し、更新費だけ払い続ける

費用まわりの失敗は、契約した月ではなく、更新のタイミングで表面化します。よくある形は3つです。
1つ目は、最安プランのままFAQの件数だけが増えていく形です。登録件数の上限に達すると、結局は上位プランへの切り替えを迫られます。最初から想定件数の1.5倍で見積もっておくほうが、トータルでは安く済みます。
2つ目は、契約したあと誰も更新しないまま放置する形です。チャットボットの成否はツールの性能でなく、回答を更新し続けるオーナーを1人置けるかどうかで決まります。担当者が異動すると、新しい質問に答えられないまま月額だけが出ていきます。
オーナーは兼任でも構いません。契約時点で名前まで決めておくと、担当者が変わっても放置されにくくなります。
多機能で高精度なツールを選べば運用は安定する、という考え方は逆です。どれだけ高性能なAIでも、回答の元になる資料が古いままなら、答えは古いままです。費用を評価するときは、機能表の項目数より「誰が更新するか」を先に決めてください。
3つ目は、やめるときの条件を決めずに契約する形です。最低利用期間が残っていれば解約金が発生し、蓄積した質問と回答を移す作業にも人の手がかかります。
介護施設を運営する法人では、担当者の退職と同時にチャットボットの更新が止まり、契約更新の月まで気づかないまま月額を払い続けていました。移行先を決めていなかったため、それまでの質問と回答の蓄積も生かせないまま契約を切ることになりました。
この3つに共通するのは、契約時点では見えていなかった費用が、運用が始まってから遅れて表面化することです。契約前に、更新の担当者と、やめる条件の2つを決めておくだけで、大半は防げます。見積もりの金額だけでなく、この2つを議事録に残しておくことをおすすめします。
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よくある質問
Q. AIチャットボットの導入費用はいくらですか
タイプによって大きく変わります。シナリオ型は月額1,500円前後から、生成AI型は月額数万円から10万円前後が目安です。初期費用0円の製品が増えていますが、生成AI型の一部では10万円前後の初期費用もあります。正確な金額は自社のFAQ件数を決めてから見積もりを取ってください。
Q. 社内の問い合わせデータをAIに渡しても情報漏洩の心配はありませんか
渡す資料の範囲を先に決めておけば、追加費用をかけずに管理できます。法人向けプランの多くは部署ごとのアクセス権限を設定できます。契約前に見るのは、入力内容がAIの学習に使われるかどうかです。Saixでは金額や顧客名をそもそもAIに渡さない設計にし、部署単位で見える資料を分けています。
Q. 無料のチャットボットだけで運用できますか
簡単な一次受付までなら無料プランでも足ります。ただしFAQの登録件数や会話数に上限があり、社内へ広げる段階で有料プランへの切り替えが必要になります。まず1部署に絞って無料枠で試し、件数の上限にどれだけ早く達するかを確かめてから、有料プランへ進んでください。
まとめ
結論:AIチャットボットの費用は、初期費用・月額費用・オプション費用の3つに分かれます。金額を大きく分けるのは機能の豊富さより、あらかじめ流れを決めるシナリオ型か、AIが答えを組み立てる生成AI型かという入口の違いで、そこにタイプ以外の5条件が重なって最終的な金額が決まります。
公式サイトで確認できた範囲では、シナリオ型は月額1,500円前後から、生成AI型は月額8万円前後からという価格帯に分かれていました。初期費用0円は必ずしも共通の前提ではなく、生成AI型の一部は10万円前後を明記しています。ここに5つの条件が重なり、実際の請求額が決まります。
契約後に費用が膨らむのは、多くの場合ツールの性能ではなく、更新の担当者が決まっていないことが原因です。安いプランで契約する前に、誰が回答を更新し続けるか、やめる条件をどこに置くかを、見積もりと同じタイミングで決めておいてください。
自社に合うタイプの見極めから、費用対効果の測り方まで通しで進めたい場合は、AI導入が失敗する理由|つまずく5つのパターンと避け方も参考にしてください。個別の費用感は無料AI活用セッションでも整理できます。
結論:チャットボットの費用は、シナリオ型か生成AI型かでひとケタ変わり、そこに5つの条件が重なって実際の金額が決まります。
- 3つの内訳:初期費用・月額費用・オプション費用
- 公式に確認できた金額:シナリオ型は月額1,500円前後、生成AI型は月額8万円前後から(初期費用0円でない製品もある)
- 費用を動かす条件:FAQ件数・チャネル数・代行・連携・サポート体制
- 内製の目安:Saixの自作ヘルプデスクは1問あたり平均9円
- 失敗の共通点:更新の担当者を決めないまま契約し、月額だけが出ていく
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