AI新人教育マニュアルの作り方|育成を仕組みにする設計と運用

AI新人教育マニュアルの作り方|育成を仕組みにする設計と運用

「この作業、前にも教えましたよね」。新人に同じ説明をするのは、これで三度目。教える人によって手順が少しずつ違う。手順書はあります。作られたのは二年前で、それ以降は誰も開いていません。

入社から三か月が過ぎても、新人はまだ一人で仕事を回せません。

新人教育でつまずくのは、たいてい次の3点です。

  • 教える内容が先輩の頭の中にしかなく、説明のたびに中身が変わる
  • 資料は渡したが、読んだかどうかも、理解できたかどうかも分からない
  • 詰まった新人が誰にも聞けないまま、静かに手が止まっている

この記事では、AIで新人教育を仕組みに変える方法に、次の順で答えます。

  • AIで作った教育マニュアルが失敗する3パターンと、その避け方
  • 新人教育マニュアルをAIで作る5ステップと、そのまま使える指示文
  • 資料を読ませ、理解を確認し、つまずきを拾うまでの運用設計
  • 作った教育マニュアルを古くさせない、更新のきっかけの作り方

Saix自身、社内マニュアル67本をAI(Claude Code)で生成し、社内ポータル「Saixマニュアルブック」に集約して運用しています。新しく入った人が最初の一か月で通る道も、この仕組みの上に載せています。

作り手であり運用者でもある立場から、机上論ではなく手を動かす前提で書きます。

ここがポイント

新人教育が定着しない原因は、資料の出来ではありません。読んだかどうかを確かめる仕組みが無いことです。資料を量産する前に「資料・理解度確認・質問先・面談」の4点を一本の線でつなぐ。

この順番を守ると、教育は担当者の善意ではなく仕組みで回り始めます。

新人教育・引き継ぎに悩むあなたへ

こんなお悩みはありませんか?

  • 新人教育が、特定の先輩の「付きっきり」頼みになっている
  • 教えたはずのことが定着せず、同じ説明を繰り返している
  • マニュアルはあるのに、読まれず現場で使われていない
教育が人任せのままだと、教える人によって品質がばらつき、退職・異動のたびに教育コストが振り出しに戻ります。

Saixの「AIマニュアル」なら、マニュアルと研修コース・理解度チェックがひとつにつながり、誰が教えても同じ品質に。育成の進み具合も、ダッシュボードで見えるようになります。

\ 教える・覚えたかの確認まで、仕組みで回す /

saix.co.jp/ai-manual
AIマニュアルの育成ダッシュボード画面(メンバーごとの研修進捗)
解決の仕組みを見てみる →

資料ダウンロード・無料相談も受け付けています

杉田 海地 監修者

株式会社Saix 代表取締役

杉田 海地

東証プライム上場企業含む100社以上のAI導入支援|リクルートでのAI推進・新卒マニュアル制作経験を経て、Webサイト「AIマニュアル研究所」を運営|YouTubeメディア「かいちのAI大学」4.8万人。

AI活用無料セッションに申し込む →

目次

新人教育が続かない本当の理由|抜けているのは資料ではなく渡したあとの3工程

新人教育が止まるのは資料の前ではなく渡したあとの3工程

新人教育が続かない原因を資料の不足だと考えると、打ち手を外します。止まっているのは、資料を渡したあとの工程です。

渡した後の工程が、誰の担当にもなっていないからです。読んだか、理解したか、現場の手順と合っているか。この3つを見る人がいないまま、資料だけが静かに古くなります。

食品工場の製造ラインで、入って三か月の作業者が洗浄手順書のとおりに機械を分解した話があります。書かれていなかったのは「この部品を先に外さないとパッキンが裂ける」の一行でした。現場で当たり前になっている判断ほど、資料から抜け落ちます。

ずれに気づくのは、たいてい半年後です。新人が「手順書と現場のやり方が違う」と言い出したとき、直せる人はもう社内にいません。書いた本人が異動しているからです。「気づいた人が直す」は、結局誰も直しません。

設計すべきなのは資料ではなく、資料が読まれ、理解が確かめられ、ずれたら直るまでの導線です。ここを設計しないままAIで資料を増やすと、更新されない資料が増えるだけです。

立ち上がりの遅さは、そのまま定着率に返ってきます。厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」を実際に開いて確認しました。

令和4年3月卒業者のうち、就職後3年以内に離職したのは高校卒で37.9%でした。大学卒でもおよそ3人に1人です(令和7年10月24日公表)。

教える側が入れ替わることも、教わる側が抜けることも前提に置いて設計する必要があります。

注意

新人教育で起きやすい落とし穴は3つあります。資料の本数を成果とみなすこと。質問の回数で理解度を測ること。教育担当を1人に固定すること。どれも教える側の負担だけが増えて、新人の到達度は上がりません。

失敗は3パターン:到達点・現場検証・クイズ更新のどれかが抜けている

ここをAIで作り直しても、止まる場所は変わりません。失敗の形はほぼ3つです。

  • 1 到達点を決めずに投げる「新人教育マニュアルを作って」とだけ指示すると、どの会社にも当てはまる一般論が返ります。挨拶の仕方、報告の心構え、メールの書き出し。読めば正しいのに、自社の業務は1行も出てきません。
  • 2 現場の検証を飛ばすAIは情報が足りない箇所を、それらしい文章で埋めます。承認者が誰か分からなければ「上長の確認を得ます」と書く。読むと通っているので、そのまま配られます。実際に手を動かした新人だけが、誰に持っていけばよいか分からず止まります。
  • 3 本文だけ直してクイズを放置する手順が変わったとき、本文は改訂されてもクイズは前のまま残ります。合格ゲートが古い手順を正解として教え続け、新しい手順どおりに読んだ新人ほど不合格になります。

3つに共通するのは、AIの性能ではなく人の工程が抜けていることです。到達点を決める。現場に読ませる。本文とクイズを一緒に直す。AIで軽くなるのは執筆までで、判断は人に残ります。

AIに任せる工程と人が決める工程|責任が発生する判断は渡さない

AIに任せるのは執筆、人が決めるのは到達点と合格ライン

AIは新人教育の中身を決められません。決めるのは人です。ここを取り違えると、出てくるのは一般論の寄せ集めになります。

AIが強いのは、断片的なメモから下書きを起こす、順番を整える、粒度をそろえる、専門用語をやさしく言い換える、本文から理解度クイズを作る、といった工程です。

人が決めるのは、何ができたら一人前かという到達点、学ぶ順番、合格ライン、誰にどこまで見せるかという公開範囲です。

線引きの基準は単純です。間違えたときに責任が発生する判断は人が持ち、文章を整える作業はAIへ渡します。合格ラインを80%にするか90%にするかは、外した新人を現場へ出す覚悟の話なので人の領域です。

工程 担当 判断のポイント
到達点の定義 一人でどこまで完了できたら合格か、を1行で書けるか
業務の棚卸し 人+AI 現場の口頭説明をそのまま渡すと、AIが手順に組み替える
本文の下書き AI 1ステップ1動作になっているか
用語の言い換え AI 社内用語が初出で説明されているか
合格ラインの設定 甘くすると通過ゲートが意味を失う
公開範囲の指定 新人に見せない資料を明確に分ける

表のとおり、人の仕事は「書くこと」から「決めること」へ移ります。指示文の長さではなく、到達点の解像度が出力の質を決めます。

Saixでは、マニュアル本文をClaude Codeで生成し、そのまま読めるHTML形式で出力させています。どの資料をどのレベルに置くか、どの部署に公開するかは目録ファイルで人が指定します。

この分担が崩れると、見せてはいけない資料が新人の画面に出ます。

新人教育マニュアルをAIで作る5ステップ|1業務なら半日で1本できる

新人教育マニュアルをAIで作る5ステップ

ここからは実際の手順です。5つを順に進めると、1業務ぶんの新人教育マニュアルが半日から1日で形になります。山場はSTEP3ではなくSTEP1です。到達点さえ決まっていれば、下書きが多少荒くても現場が直せます。

STEP1:到達点を1行で決める

何を「この業務を新人が一人でできる」の定義を、動詞で書き切ります。

どうやって「理解している」「把握している」という言葉を禁止にします。代わりに「見積書を先輩の確認なしで作成し、送付まで完了できる」と書きます。他人が判定できない到達点は、あとで合格ラインを決められません。

ゴール:到達点が1行で書けていて、達成したかどうかを他人が判定できる状態になっていればOKです

STEP2:一か月分の業務を棚卸しする

何を新人が最初の一か月で触る業務を、時系列で並べます。

どうやってここは紙とペンで構いません。現場の担当者に口頭で説明してもらい、その録音の文字起こしをそのままAIへ渡す方法が早い。整った文章に直す手間は不要です。手順の抜けは、あとの工程でAIが「確認が必要な項目」として返してきます。

ゴール:一か月で触る業務が10〜20個に分解されていればOKです

STEP3:AIに下書きを作らせる

何を棚卸しした業務ごとに、手順書の下書きを生成します。

どうやって下のプロンプト(=AIへの指示文)を使います。プロンプトとは、AIに「こう作ってほしい」と伝える指示の文章のことです。角かっこの中身を自社の情報に差し替えて使います。

新人教育マニュアルの編集者として作業してください。
以下の条件で、新人が一人で業務を完了できるようになる手順書を作ってください。

【対象読者】入社1か月以内の新人。この業務の経験はない
【到達点】<STEP1で決めた1行をそのまま貼る>
【業務の流れ】<STEP2の棚卸しを貼る。順不同・箇条書きでよい>
【使うシステム】<システム名と画面名>
【過去に起きた失敗】<あれば貼る。無ければ「なし」>

【出力の条件】
・見出しは作業の順番どおりに並べる
・1ステップ=1動作にする。2つの動作を1文に混ぜない
・各ステップの末尾に「完了の判定基準」を1行付ける
・社内用語が出たら、初出のその場で意味を説明する
・判断が必要な箇所は「誰に確認するか」を明記する
・情報が足りない箇所は空欄にし、末尾に「確認が必要な項目」として一覧化する

最後の1行が要点です。空欄にして一覧化させると、2つ目の落とし穴をそのまま避けられます。現場に聞くべきことが、そのまま質問リストになります。

ゴール:下書きと「確認が必要な項目」の一覧が手元にあればOKです

STEP4:現場の一人に読ませて直す

何をその業務を実際にやっている人に、下書きを見せます。

どうやって「間違いを直してください」と頼むと、赤字が返ってこないことが多くあります。代わりに「この手順どおりにやったら失敗する箇所はどこですか」と聞きます。失敗の予測は、経験者ほど具体的に答えられます。

返ってきた指摘をAIに渡し、本文へ反映させます。

建設現場の施工管理でも、書かれた手順どおりに進めて事故が起きるのは、たいてい「この工程に入る前に足場の固定を確認する」といった前提が抜けているときです。抜けている前提は、経験者の口からしか出てきません。

ゴール:現場の1人が「この通りにやれば動く」と言える状態になっていればOKです

杉田 海地

杉田 海地

うちもマニュアル本文は全部AIに書かせていますが、現場に読ませる工程だけは人から外していません。「間違いを直してください」では赤字は返ってきません。「この通りにやったらどこで失敗しますか」と聞くと、経験者は具体的に喋り出します。

STEP5:理解度クイズにして通過ゲートにする

何を完成した本文から、選択式の理解度クイズを作ります。

どうやって本文をそのまま貼り、下の指示を添えます。

次のマニュアル本文から、理解度確認の選択式クイズを5問作ってください。

・本文に答えが書かれている内容だけを問う
・「読めば分かる」ではなく「手順を間違えると事故になる」箇所を優先する
・各問4択。誤答の選択肢は、実際にやりがちな間違いにする
・問題ごとに、正解の根拠となる本文の該当箇所を併記する

Saixでは、こうして作った社内マニュアル67本を1つのポータルへ集約しています。正本はローカルの管理フォルダに置き、目録ファイルからポータルへ一方向で同期する形です。

正本と配布を分けておくと、「最新版がどれか分からない」が構造的に起きません。

ゴール:本文とクイズが1セットになり、合格ラインが決まっていればOKです

教育を回す部品は4つ|そろえても、つながっていなければ機能しない

資料・理解度確認・質問先・面談はつないで初めて機能する

資料が完成したら、次は運用の設計です。新人教育を仕組みにするために必要な部品は4つあります。この4つは単体では効きません。

部品 役割 無いとどうなるか 最小構成
資料 手順の正本を1か所に置く 教える人ごとに手順が変わる 1業務1ファイル・置き場所は1つ
理解度確認 読んだかどうかを判定する 読んだ前提で実務が始まる 選択式5問・合格ライン80%
質問先 詰まった瞬間に聞ける先を用意する 手が止まったまま放置される 社内資料だけを根拠に答えるAIチャット
面談 数字に出ない不安を拾う 辞める直前まで気づけない 2週間ごと・本人の事前記入つき

4つのうち抜け落ちやすいのは質問先です。資料も面談も形にできるのに、質問先だけは誰かの手が空いている時間でしか用意できませんでした。

資料:置き場所が2つあると、新人はどちらが最新か選べない

共有ドライブとチャットの添付ファイルに同じ手順書があると、たいてい古いほうが開かれます。1業務1ファイル、置き場所は1つ。編集する場所と読む場所を分けておくと、二重管理が起きません。

杉田 海地

杉田 海地

二重管理は、気をつけていれば防げる問題ではありません。私たちは正本をローカルに置いて、目録から配布側へ一方向で流すだけにしました。目録から消せば配布側からも消えます。最新版がどれかという議論が、そもそも起きなくなります。

理解度確認:読んだ前提で実務が始まると、詰まった原因が分からない

選択式5問、合格ライン80%。この程度の設計で足ります。設問は「読めば分かること」ではなく「間違えると事故になること」から作ります。合格の記録が残ると、実務を任せる判断が感覚から事実に変わります。

見落としがちな視点

理解度確認は、新人を評価するための道具ではありません。マニュアルの出来を測る道具です。同じ設問で複数の新人が間違えるなら、間違えているのは資料の書き方のほうです。設問の正答率は、本人ではなく本文の通信簿として読みます。

質問先:5分待たされた質問は、そのまま聞かれずに終わる

訪問介護の事業所で、入って二週間のヘルパーが利用者宅で記録の入力方法に詰まりました。事務所に電話しても、担当者は別の訪問中です。新人が詰まるのは、たいてい聞ける相手が手を離せない時間帯です。

Saixでは、この質問先をAIヘルプデスクにしています。新人は資料を探す前に聞き、返ってくる回答には根拠になった社内マニュアルが添えられます。社内のどこに何があるかを覚える経路にもなります。

手元の資料をそのまま使って自動回答を組む手順は社内FAQをAIで自動化する方法で扱っています。既製のツールを検討する場合、選定の分かれ目は機能ではなく使われ続けるかどうかです。

その観点での比較はFAQボットの料金と選び方の比較にまとめています。

面談:数字に出ない不安は、辞める直前まで表に出ない

面談は雑談の時間ではなく、本人が事前に振り返りを書いてから臨む場です。Saixでは2週間ごとに、本人が振り返り6項目とコンディションの5段階評価を先に記入します。書いてから話すと、話題が「今週も忙しかったです」で終わりません。

記入内容は記録として残し、次回は前回との差分を見ます。

杉田 海地

杉田 海地

面談の時間を延ばす必要はありません。うちは2週間ごとに、本人へ振り返り6項目とコンディションの5段階を先に書かせています。書いてから話すと、こちらは前回との差分だけを見ればよくなります。その場で思い出させる面談とは中身が変わります。

Saixが新人にやらせている一本道|合格しないと次のステップが開かない

レベル1から5まで一本道に並んだ研修コースの画面。各ステップに理解度クイズの合格ゲートが置かれ、通らないと先へ進めない
Saixの研修コース画面(デモ用のダミーデータで再現)。合格しないと次のステップが開かない

ここからはSaixの実物です。新しく入った人が最初に通る道は、レベル1から5までの一本道になっています。共通の土台から入り、後半で部署別へ分岐する並びです。ここでは新人1人が最初の一か月で何を渡され、何を出し、どこで止められるかに絞ります。

入って最初に渡されるのは、読む資料ではなく出す課題です。コースの各所に成果物の提出課題を置き、読んで分かった気になる段階と、実際に作れる段階を分けています。

提出できるのは25MBまでのファイルで、管理者が「合格」か「要修正+コメント」でレビューします。

要修正が返るのは失敗の合図ではなく、1つのステップの途中経過です。新人が最初の一か月で身につけるのは業務知識だけではなく、指摘を受けて出し直す往復のリズムのほうです。

読むだけで一か月を過ごした新人は、実務で最初の差し戻しが来た日に固まります。

次へ進む条件も、本人の申告には置いていません。各マニュアルに紐づいた理解度クイズに合格しないと、次のステップが開かない形にしています。読んだかどうかを自己申告に任せた瞬間、教育の進捗は誰にも見えなくなります。

迷わせない工夫もあります。ログインすると、ホーム画面に「今日の一歩」として次にやるべきことが1つだけ表示されます。読む資料が1本か、出す課題が1本。並列の選択肢は出しません。一か月目の新人に必要なのは選択肢ではなく指名です。

三か月目の社員なら「時間があるときに見ておいて」で回りますが、初週の新人に同じ渡し方をすると、何から手を付けるかを考える時間だけが過ぎます。裁量を渡すのは、道順を一度通り切ったあとで間に合います。

順番を固定しているのはコースだけです。資料そのものは本棚から進度に関係なく読めます。読む自由は残したまま、進む順番だけを決めている形です。

合格ラインの引き方や部署ごとのカリキュラム設計は、1業務ぶんの一本道を通し切ってから広げれば間に合います。

つまずきは3つの信号で拾う|本人の申告を待たない

つまずきは本人の申告ではなく3つの信号で拾う

教育で本当に怖いのは、進んでいないことに誰も気づかない状態です。

Saixでは3つの信号で拾っています。同じステップで2回以上つまずいた人が管理画面に自動で並ぶこと。AIヘルプデスクへの質問がどのカテゴリへ偏っているか。そして面談前に本人が記入するコンディションの段階評価です。

拾う仕組みが3つあると、1つを見落としても残り2つで引っかかります。

新人本人は「もう一回やれば通る」と思っているので、まず申告してきません。教育担当が見るのは本人の顔色ではなく、この一覧です。

拾ったあとの対応も決めておきます。2回不合格が出たら、まず該当箇所を一緒に読み直す。それでも通らなければ、設問か本文のどちらかに問題があると判断して資料側を直します。つまずきは個人の記録ではなく、資料の改善点として扱います。

面談で「困っていることはある」と聞いても、困っている人ほど答えられません。数字で先に見つけ、面談は確認と対処の場にします。

教育マニュアルを腐らせない|直すきっかけは新人の質問ログが出す

直すきっかけは新人の質問ログが出す

マニュアルは作った瞬間から古くなります。更新担当を決めても回りません。決まっているのは担当だけで、いつ何を直すかのきっかけが無いからです。

きっかけは新人が出してくれます。入って一か月の人は、既存メンバーが読み飛ばしている前提を片っ端から踏み抜くからです。Saixでは、その質問ログを次の改訂の優先順位に使っています。

新人が同じ場所で質問した資料から先に直し、誰も質問しなかった資料は当面そのままにします。

直し方は作り方と同じです。該当のマニュアルと、実際に来た質問文をAIへ渡し、答えられなかった箇所を本文へ追記させます。改訂したら正本を更新し、同期を回してポータルへ反映します。本文とクイズは必ず同じ日に直します。

3つ目の落とし穴は、ここを分けた瞬間に起きます。

改訂すべき箇所は、たいてい一か所に固まります。質問が集中している資料が、そのままいちばん弱い資料です。新人が3人続けて同じ画面で止まったなら、直すのは説明の順番か、省いた前提のどちらかです。

更新の頻度も決めておきます。全部を定期的に見直すのは続きません。質問が来た資料だけを直す。手順が変わった資料だけを直す。この2つに当てはまったときだけ着手すると、更新は月に数本で収まります。

運用コストの上限も先に決めておきます。新人が入った月は質問が跳ね上がるので、青天井のままだと「聞きすぎるな」と言いたくなる日が来ます。

SaixのAIチャットは月額3,000円の上限で自動停止する設定にしてあり、その範囲なら新人がいくら質問しても誰も止めません。

無料相談

新人が一か月で立ち上がる導線を、御社の業務で一緒に設計します

到達点の決め方、AIに任せる範囲、合格ラインの引き方は、業種と人数で変わります。Saixが社内で回している研修コースと合格ゲートの実物をお見せしながら、御社の新人が最初の一か月で通る道を一緒に描きます。オンラインで、費用はかかりません。

AIマニュアル構築を相談する →

よくある質問

Q. 社内の業務内容をAIに読ませて、情報が漏れないか不安です

AIへ渡す知識の側を制限すれば、仕組みとして防げます。Saixでは資料ごとに公開部署を指定し、AIヘルプデスクも質問した人が見える資料だけを根拠に回答します。

見えない資料は存在ごと隠れるため、他部署限定の内容が回答経由で出ることがありません。渡す資料を絞る設計が、利用規約の確認より先に来ます。

Q. 新人が年に数名しかいない規模でも作る意味はありますか

人数が少ない会社ほど効きます。年に2名でも、教える側の説明は毎回ゼロから発生するからです。教える人が固定されている分、その人が抜けたときの影響も大きくなります。まずは新人が最初の一か月で触る業務を10個だけ選んでください。

全業務を網羅しようとすると、着手する前に止まります。

Q. 無料のAIだけでどこまでできますか

下書きの生成とクイズの作成までは、無料版の生成AIで届きます。届かないのは、誰がどこまで読んだかの記録と、合格ゲートの管理です。ここは表計算ソフトでの手管理か、学習管理の仕組みが要ります。作るところと回すところを分けて考えてください。

まとめ

新人教育を仕組みにする実体は、資料の量ではなく導線のつながりです。到達点を人が決め、本文をAIに書かせ、理解度で通過を判定し、詰まったら聞ける先を置く。この4つが一本につながって初めて、教育は個人の頑張りから外れます。

最初の一歩は小さくて構いません。新人が最初の一か月で触る業務を1つだけ選び、到達点を1行で書く。5ステップを回すと、半日で1本目が形になります。1本目を運用へ載せてから2本目に進んでください。

10本まとめて作ってから運用を考えると、10本とも読まれないまま古びます。

Saixが社内マニュアル67本で確かめたのは、資料の質より導線の設計が効くということです。合格しないと次が開かない。次にやることが1つだけ表示される。2回つまずいた人が自動で見つかる。

派手な機能はありませんが、新人が一人で立ち上がるまでの時間はこの地味な設計で決まります。

次の一手は、新人がいちばん多く質問している業務を1つ選び、到達点を1行で書くことです。担当者が1人しかいない業務から始めたい場合は属人化を解消する社内マニュアルの作り方が近い話になります。

正本づくりから定着の運用まで整えたい場合は、AIマニュアル構築支援で実際の形をご覧ください。

この記事のまとめ

結論:新人教育の成否は資料の出来ではなく、読んだかどうかを確かめる導線があるかどうかで決まります。

  • 到達点は人が決める:一人でどこまでできたら合格かを1行で書く。ここが決まらないとAIは一般論しか返さない
  • 作る手順は5ステップ:到達点の定義、業務の棚卸し、AIで下書き、現場で検証、理解度クイズ化
  • 運用は4点セット:資料・理解度確認・質問先・面談をつなぐ。単体では機能しない
  • つまずきは数字で拾う:再不合格の自動検知と質問カテゴリの偏りで、本人の申告を待たずに気づく
  • 更新は質問ログから:質問が集まった領域が、次に直すマニュアルになる
AI社内マニュアル 導入・定着完全ガイド|全34ページ・無料でダウンロード

Contact

AI/DXの導入に関する
ご相談・お問い合わせ

「自社にAIをどう導入すれば良いかわからない」
そのような漠然としたご相談でも大丈夫です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社Saix 代表取締役社長/AIマニュアル研究所 監修者・編集責任者

前職リクルートで社内のAI推進と新卒向けマニュアル制作を担当し、「マニュアルがない・古い・読まれない」ことが属人化を生み、組織の成長を止める構造を現場で経験。この課題意識が本メディア「AIマニュアル研究所」の原点。

東証プライム上場企業を含む100社以上のAI導入を支援|延べ4,000名以上にAI研修を実施|YouTube「かいちのAI大学」登録者4.8万人・累計再生270万回超|北の達人コーポレーション、メディアハウスホールディングスなど、上場企業から中小企業まで、AI研修・AI経営顧問・AIマニュアル構築支援を提供|メディア掲載複数(TechTrends、アットリビングなど)

支援先には月1,000時間超の業務削減を実現した企業もある。記事はすべて、Saixの実支援の一次情報、または公開許諾を得た支援先の実例に基づいて制作している。

目次