「マニュアル、作っておいて」。そう頼まれてWordを開く。1行目が書けない。点滅するカーソル。見出しを打っては消し、何を書けばいいのかが決まらないまま30分が過ぎます。
マニュアルのテンプレート探しでつまずくのは、たいてい次の3点です。
- 何の項目を立てればいいのかが、そもそも決まっていない
- 書く人によって粒度がばらつき、あとから揃えられなくなる
- 自社の業種に合う雛形が見つからず、探している間に日が過ぎる
この記事では、今日のうちに手が動く状態まで持っていけるよう、次のことに答えます。
- 業種を問わず共通する、マニュアル雛形の必須7項目
- 雛形をAIに埋めさせる4ステップと、そのまま使えるプロンプト
- 製造・介護・接客・物流・電話対応で変わる1〜2欄の中身
- テンプレートを配っても書かれないときの立て直し方
Saix自身、社内マニュアル67本を社内ポータル「Saixマニュアルブック」に集約し、目録ファイルで公開状態を一元管理しています。作り手であり、日々それを引く使い手でもある立場から、机上論ではなく手を動かす前提で書きます。
テンプレートの本体は、きれいな書式ではなく項目の定義です。7項目の骨組みを決める。材料を口述でAIに渡して一次案を書かせる。判断基準の欄だけ人が埋める。この順番にすると、書き手が誰であっても粒度が揃います。
書式ファイルだけを配ると、白紙が増えます。
監修者
株式会社Saix 代表取締役
東証プライム上場企業含む100社以上のAI導入支援|リクルートでのAI推進・新卒マニュアル制作経験を経て、Webサイト「AIマニュアル研究所」を運営|YouTubeメディア「かいちのAI大学」4.8万人。
マニュアルのテンプレートに必ず入れる7項目|厚労省の公開様式も同じ骨組み

AIマニュアルテンプレートを探す前に、骨組みを決めます。業種が変わっても骨組みは変わりません。変わるのは中身です。まず、どんな業務にも共通する7項目を固定します。
必須7項目の一覧
- 1. 目的この作業が何のためにあるのか。1〜2文で書く。ここが空だと、手順を守る理由が伝わらず、忙しいときに真っ先に飛ばされる
- 2. 対象者と前提条件誰が、どの権限で、何を準備してから始めるのか。アカウント・鍵・承認の有無をここに集める
- 3. 手順番号付きで、1手順1動作。「確認して登録する」は2手順に割る
- 4. 判断基準迷ったときに、どちらを選ぶか。金額・件数・時間などの線引きを数字で書く
- 5. 例外とNG例やってはいけないこと、過去に起きた事故、例外時の連絡先
- 6. 使う道具とデータの置き場所ツール名と、ファイルの保存先。「共有フォルダ」ではなく、たどり着ける粒度で書く
- 7. 更新履歴と管理者誰がいつ直したか。オーナーが空欄のマニュアルは、必ず腐る
公的な様式と突き合わせると、名前を変えて同じ欄が並んでいる
この7項目が独自の分類でないことは、公開されている様式で確かめられます。厚生労働省のサイトにある「作業手順書作成要領及び事例」(介護作業向け)を開くと、様式が2つ載っています。表形式の「安全作業手順」と文章形式の「作業指示書」。
見た目はまったく違うのに、並んでいる欄はほぼ同じです。
表形式は、作業範囲・人員配置・資格・保護具・過去の事故災害があり、本体が「作業手順」「急所」「備考」の3列。文章形式は、目的・実施事項・注意事項・制定改定月日。7項目のうち6つが、呼び名を変えて両方に入っています。
目を引くのは「急所」という列です。手順とは別に、その動作を外すと何が起きるかを1件ずつ書かせる欄がある。作成要領には「過去3年間の事故及び災害」を記入し、安全の急所と関連づけよと明記されています。
公的な様式ほど、手順を外したときに何が起きるかの記述に紙面を割いています。
テンプレートで一番効くのは、手順欄ではありません。判断基準の欄です。手順は読めば分かります。人が迷うのは例外が来たときで、その欄が空白だと、結局「詳しい人」に聞くしかなくなります。属人化は手順書の不足ではなく、判断基準の不足から起きます。
埋める順番は、手順と判断基準から始める
7項目のうち、現場が最初に必要とするのは3・4番です。1・2・7番は管理用の欄で、初版は1行ずつで足ります。手順、判断基準、例外とNG例、そのあとに目的と対象者。最後に管理者名で締める並びが回りやすい順番です。
項目名は社内の言葉に寄せて構いません。「判断基準」が硬いなら「迷ったときの決め方」でも通じます。大事なのは名称ではなく、その欄が全マニュアルの同じ位置にあることです。3本目を開いても判断基準が同じ場所にある。これが雛形を使う見返りです。
Saixでは、AIヘルプデスクに届いた質問を8カテゴリに自動分類し、質問が集中したカテゴリを「マニュアルが弱い領域」として次に直す対象に回しています。
手順は書いてあるのに質問が来る項目は、たいてい判断基準の欄が痩せています。「どちらでもいい」と書かれた箇所が、そのまま問い合わせになって戻ってくる形です。
作業の標準化そのものは、手順書をAIで作成して作業を標準化する5ステップに整理しています。
形式は4つ|選ぶ基準は書きやすさではなく更新のしやすさ

雛形の項目が決まったら、次は入れ物です。形式を作りやすさで選ぶと、半年後に更新が止まります。判断軸は、更新のしやすさと、探したときに見つかるかどうかの2つです。
| 形式 | 向いている中身 | 更新のしやすさ | つまずきやすいところ |
|---|---|---|---|
| Word・Googleドキュメント | 文章中心の業務手順、判断基準が多い業務 | 高い | コピーが増え、最新版がどれか分からなくなる |
| Excel・スプレッドシート | チェックリスト、条件分岐の一覧、点検表 | 高い | 長い文章を入れると読めない。印刷で崩れる |
| スライド | 新人向けの説明、研修での配布資料 | 中程度 | 1枚に収めようとして、細かい手順が落ちる |
| 社内ポータル(HTML) | 全社共有、検索前提の資料、図解込みの読み物 | 高い(正本を1つに保てる) | 最初に作る手間がかかる。作り切るまでが山 |
Saixは大半をそのまま読めるHTML形式で生成し、社内ポータルに載せています。ソフトの有無やバージョン差に左右されないためです。
同じマニュアルの.html・.pdf・.mdが混在した場合は、html・pdf・mdの優先度で自動的に1形式へ集約する仕組みにしています。
実務的には、最初の10本はドキュメント形式で作り、本数が増えて検索が必要になった段階でポータルに寄せる進め方が現実的です。最初からポータルを作ろうとすると、道具の検討で数か月が消えます。
既存のグループウェアに社内Wiki機能が付いているなら、まずはそこを置き場に指定するのが最短です。
混在させる場合の原則は1つ。1つのマニュアルにつき正しいファイルは1つ、と決めておくことです。同じ内容がWordとスライドの両方にあると、更新は必ず片方だけ行われます。形式を分けてよいのは、中身が違うときだけです。
形式を決めるとき、私たちは「AIに読ませられるか」も見ています。社内のヘルプデスクに渡せるのは結局テキストです。スライドや動画に書いた手順は、後からAIに聞かれても答えの根拠になりません。
雛形をAIで埋める4ステップ|人が直すのは判断基準と例外の2欄だけ

ここが本題です。雛形を配っただけでは埋まりません。埋める作業をAIに任せ、人は確認と判断に回ります。Saixのマニュアル制作も「AIに書かせて人が確認する」を基本線にしています。
STEP1-2:枠と材料を先に渡す
STEP1雛形の7項目を先にAIへ渡します。「マニュアルを作って」と頼むのではなく、埋めてほしい枠を先に提示する。枠がないと、AIは一般論で紙面を埋めます。
STEP2材料を口述で渡します。整った文章にする必要はありません。音声入力でしゃべった内容、既存の手順メモ、過去の議事録、チャットのやり取り。断片のまま貼り付けます。文章に起こす工程こそ、AIがいちばん得意な部分です。
材料は多いほど良いわけでもありません。渡してよいのは手順・判断基準・道具の使い方までで、顧客の実名や金額、個人情報は材料から外します。この線引きを社内ルールにしておくと、担当者ごとに判断が割れません。
STEP3:一次案を出すプロンプト
STEP3下のプロンプト(=AIへの指示文)で一次案を出します。プロンプトとは、AIに「こう作ってほしい」と伝える指示の文章のことです。
社内マニュアルの編集者として作業します。
以下の7項目の構成で、社内マニュアルの一次案を作成してください。
【構成】
1. 目的
2. 対象者と前提条件
3. 手順(1手順1動作・番号付き)
4. 判断基準(迷ったときの選び方・数字で線引き)
5. 例外とNG例
6. 使う道具とデータの置き場所
7. 更新履歴と管理者
【書き方の条件】
- 読み手は入社1か月目の担当者。専門用語は初出でその場で説明する
- 手順は、実際に画面や現物を操作する単位まで分解する
- 下の材料に書かれていないことは推測で埋めず、「要確認」と明記する
- 判断に幅がある箇所は、判断基準の欄に候補を並べて質問として返す
- 出力はそのまま社内共有できる体裁にする
【材料】
(ここに口述メモ・既存資料・議事録をそのまま貼り付ける)
ゴール:7項目すべてに文字が入り、埋まらなかった箇所が「要確認」として一覧になっていればOKです
STEP4:人が直すのは判断基準と例外だけ
STEP4人が直すのは2か所に絞ります。判断基準と、例外・NG例です。ここは社内の経験がなければ書けません。「要確認」と返ってきた箇所を担当者に口頭で聞き、その回答をもう一度AIに渡して本文へ溶かし込む。
この往復を2回まわすと初版が仕上がります。
たとえば請求書の発行手順を1本作る場合。経理担当者に画面を開きながら口頭で説明してもらい、その音声を書き起こす。
書き起こしを材料欄に貼ってプロンプトを実行すると、7項目に沿った一次案が返ります。文面には「締め日が月末か25日か要確認」といった質問が並びます。
その質問を本人に聞いて追記すれば、誰も書けなかった請求業務の初版が、その日のうちに手元に残ります。
注意すべきは、AIが出した手順をそのまま正としないことです。口述には抜けがあり、AIはその抜けを自然な文章でつないでしまいます。初版が仕上がったら、書いた本人ではない別の担当者に、その手順書だけを見ながら実際に作業してもらう。
詰まった箇所が、そのまま抜けです。
ゴール:別の担当者が手順書だけを見て、最後まで作業を終えられる状態になっていればOKです
出力が使えないときの原因は、ほぼ材料不足です。AIの語彙や書きぶりを責める前に、渡した材料の量を見直します。1本のマニュアルに対して口述メモが5行しかなければ、返ってくるのは5行分の中身です。
ChatGPTでマニュアル作成する手順とプロンプト例では、うまくいかない出力の直し方を失敗パターン別に書いています。
材料集めから公開範囲の決定、更新の運用までの工程全体は、社内マニュアルをAIで作る方法に整理しています。
AIが苦手なのは、文章を書くことではありません。何を書くべきかを決めることです。だから順番は逆になります。人が項目を決め、AIが中身を書く。
この分担にすると、書き手に残るのは白紙を埋める作業ではなく、書かれた内容が正しいかを確かめる作業になります。
業界別テンプレートは要らない|製造も介護も足すのは1〜2欄だけ

業界別テンプレートを探し回っても、なかなか見つかりません。理由は単純で、公開されている雛形の骨組みは、どれもよく似ているからです。実際に違うのは、7項目に足す1〜2欄と、どの欄を厚く書くかの配分だけです。
| 業種 | 7項目に足す欄 | 特に厚く書く欄 | 落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 製造・工場 | 安全・保護具、設備の型番と号機 | 例外とNG例 | 異常時にどこで止めるかの判断が書かれていない |
| 介護・医療 | 記録様式、個人情報の取り扱い | 判断基準(急変時の連絡順) | 申し送りの言い回しが人によって変わる |
| 接客・店舗 | 接客トークの例文、クレーム一次対応 | 例外とNG例 | 「臨機応変に」で片づけ、新人が固まる |
| 物流・倉庫 | ロケーション表記、数量確認の方法 | 手順(1手順1動作) | 繁忙期の例外ルールが口伝えのまま |
| 電話・問い合わせ対応 | スクリプト、折り返しの基準 | 判断基準(取り次ぎ先の線引き) | 担当者の異動後、取り次ぎ先が古いまま残る |
表の見方は1つ。自社の行を見て、足す欄を7項目に加え、厚く書く欄に材料を集中投下する。残りは共通の骨組みのまま使えます。業種名で雛形を探す時間より、この配分を決める15分のほうが成果に直結します。
現場の呼び方を、正式名称に直さない
金属加工の現場を持つ製造業では、作業者が「3号機」と呼んでいる設備が、資産台帳では別の型番で管理されていることがあります。表記を台帳側の正式名称に揃えた瞬間、その手順書は現場で開かれなくなります。
本文は現場の呼び方に合わせ、正式名称は初出のかっこ書きで補えば足ります。
介護の現場では、夜勤帯の申し送りが典型です。「昨夜は落ち着いていました」の一文が、書き手によって「よく眠れた」を指すのか「ナースコールが無かった」を指すのかで変わります。
申し送りの様式だけは、記入する言葉の選択肢まで雛形の側で決めてしまうほうが揃います。自由記述の欄を残すほど、読み手の解釈に差が出ます。
1本の分量も業種で変わる
もう1つ業種で変わるのが、1本の分量です。現物を扱う業務は、1本を短く作業単位で分けたほうが使われます。棚入れ、ピッキング、返品処理をそれぞれ1本にする。
逆に介護記録や電話対応のように判断が連続する業務は、1本にまとめ、前後の文脈ごと読ませたほうが伝わります。
業種で変えるべきなのは項目名ではなく、事故の記録です。製造なら設備停止、介護なら急変対応、接客ならクレーム。その業界で過去に何が起きたかを例外欄に具体的に書けるかどうかが、テンプレートの実用性を分けます。
汎用の雛形にこの欄が無いのは、外部の書き手には書けないからです。
Saixの社内マニュアルも、資料ごとに公開部署を指定しています。区分はコンサルティング、営業、マーケティング、人事・経理、全社の5つ。全員に同じ1本を配って読ませようとすると、誰にとっても情報が過剰か不足のどちらかになります。
業種で悩む前に、私は「誰に見せる1本か」を決めます。Saixは資料ごとに公開部署を5区分で指定しています。全員に同じ1本を配ると、誰にとっても多すぎるか足りないかのどちらかになります。
動画と写真は補助に回す|正本は文章に置く

手を動かす作業は、文章だけでは伝わりません。ただ、すべてを動画にすると更新が止まります。役割を3層に分けます。
- 文章(正本)全体の流れ、判断基準、例外。検索して該当箇所に飛べるのは文章だけ
- 写真迷いやすい画面、現物の見分け、設置位置。1枚で数十字ぶんを省略できる
- 動画手つき、力加減、声かけの間合い。文字では再現できない身体的な情報
撮る前に決めることは2つ。1本を3分以内に収めること、手元が映る角度を固定することです。動画には必ず「00:40 台車の固定」のような文字の目次を付けます。目次のない動画は、2回目以降に開かれません。
進め方は動画マニュアルをAIで作る手順にまとめています。
動画は、文章マニュアルの上位互換ではありません。検索できず、部分修正もできないためです。正本は文章に置き、動画は補助に回す。この配置を守らないと、手順が1つ変わるたびに撮り直しが発生します。
Saixが67本を破綻させずに運用できている理由|正本と目録を分ける

Saixでは2026年7月時点で67本の社内マニュアルを運用しています。
「MECE思考と構造化の全て」「AI利用ガイドライン」「情報セキュリティと機密の扱い」「業務別プロンプト設計集」といった実在のタイトルが、4カテゴリで色分けされた同じ本棚に並んでいます。
書き手が違っても管理が破綻しないのは、正本のほかにもう1つ、目録を持っているからです。
正本と目録を分けて持つ
正本ファイルはローカルの管理フォルダに置き、目録ファイルで「どのマニュアルを・どのカテゴリで・誰に公開するか」を一元管理しています。ポータルへは同期スクリプト1本で一方向に流し込む。目録から消したものは、ポータル側からも消えます。
編集はいつも正本側で行い、ポータルは表示専用です。
ゴール:「最新版はどのファイルか」を誰にも聞かなくていい状態になっていればOKです
目録に持たせる5つの情報
目録に持たせている情報は多くありません。タイトル、カテゴリ、公開する部署、紐づくクイズ、公開するかどうかの区分。この5つで、全体の状態が判定できます。新しいマニュアルを足すときは、正本ファイルを置いて目録に1行加える。
役目を終えたものは目録から1行消す。
効果は本数が増えたときに出ます。数本のうちは記憶で管理できます。数十本を超えると、どれが現役でどれが差し替え済みか分からなくなる。目録があれば、一覧を1枚開くだけで公開状態が判定できます。
テンプレートを配ったのに型が揃わない会社は、雛形しか配っていません。揃うのは、雛形と目録をセットで持ったときです。雛形は1本の中身を揃える道具、目録は全体の状態を揃える道具。役割が違うため、片方だけでは機能しません。
配っても書かれない3つの原因|止まるのは意欲ではなく1本目の途中

雛形を配って「これで書いてください」と伝えたのに、1か月経っても提出が0本。よくある光景です。原因は書き手のやる気ではありません。設計側に3つの穴があります。
原因1:項目が7つもあり、1本目の途中で書き手が止まる
初版で7項目すべてを求めると、書き手は最初の1本目で止まります。初版は目的・手順・判断基準の3欄に絞り、残りは空欄のまま提出させます。空欄のある初版は、白紙よりはるかに価値があります。
原因2:材料集めから始めさせて、整理の段階で終わる
「資料を整理してから書いて」と頼むと、整理の段階で終わります。順番は逆です。詳しい人に15分しゃべってもらい、書き起こしをAIに渡して一次案を出す。人に頼むのは「話すこと」であって「書くこと」ではありません。
原因3:書いた後の置き場がなく、本人以外に届かない
提出先が個人フォルダのままだと、書いた本人以外に届きません。置き場と読ませ方をセットで決めます。Saixでは読ませる仕組みを研修コースに組み込み、理解度クイズに80%以上で合格しないと次のステップが開かない構成にしています。
同じステップで2回以上つまずいた人は、管理画面が自動でリストアップします。
読んだかを本人の申告に頼らない発想は、先ほどの公的な様式にもあります。作成要領には、手順書を作ったら該当作業者に教育し、教育を受けたらサインをさせることが大事だと書かれています。「教育を受けていない」という逃げを防ぐためです。
紙の様式の時代から、置き場と確認をセットにする考え方は変わっていません。
この形にしてから、社内で起きた変化は明確です。分からないことが出たとき、社員は担当者を探すのではなくAIヘルプデスクに質問し、出典マニュアルにたどり着く。探す先が「人」から「資料」に置き換わりました。
書かれない原因は、最初の1行を書く負荷です。下げる方法は、項目を減らすか、AIに1行目を書かせるかの2つ。精神論で締め切りを設定しても、白紙の締め切りが増えるだけで終わります。
自社の業務に合う雛形の形を、一緒に決めませんか
7項目のどこを厚く書くかは、業種と現場の状況で変わります。Saixでは、社内マニュアル67本を正本と目録に分けて運用してきた設計をもとに、御社に合わせた雛形の作り方とAIの使い方をご提案しています。オンライン・無料でご相談いただけます。
一番効いたのは、読んだかどうかを本人の申告に任せないと決めたことです。同じステップで2回つまずいた人は、管理画面が自動で拾います。待っていても手は挙がりません。仕組みで見つけにいくしかないです。
よくある質問
Q. 業務の中身をAIに渡すと、情報漏洩が心配です
渡す情報を仕分ければ回避できます。手順・判断基準・道具の使い方は渡してよく、顧客の実名・金額・個人情報は渡さないという線引きを、最初に社内ルールとして決めます。
Saixの社内ポータルでは資料ごとに公開部署を指定し、AIが回答に使う知識も質問者の部署で見える範囲に限定しています。
Q. 何本くらいから雛形を統一すべきですか
1本目から統一します。本数が増えてから揃え直すほうが、はるかに手間がかかるためです。目録が要るようになるのは、一覧で見渡せなくなった時点です。Saixは67本を4カテゴリで色分けし、目録ファイルで公開状態を一元管理しています。
Q. 無料の範囲でどこまで作れますか
初版づくりまでは無料の生成AIとドキュメントツールで到達できます。7項目の枠を作り、口述メモを渡して一次案を出す工程に、専用ツールは要りません。
有料の検討が必要になるのは、本数が増えて検索と公開範囲の管理が要る段階からです。Saixも社内AIの利用は月額上限を3,000円に設定し、到達時は自動停止する運用にしています。
まとめ
AIマニュアルテンプレートの本体は、書式ファイルではなく項目の定義です。目的、対象者と前提条件、手順、判断基準、例外とNG例、道具とデータの置き場所、更新履歴と管理者。この7項目を固定すれば、書き手が変わっても粒度は揃います。
厚生労働省が公開している作業手順書の様式も、呼び名を変えて同じ欄を持っていました。
埋め方の順番も決まっています。人が項目を決め、材料を口述でAIに渡し、一次案を書かせる。人が直すのは判断基準と例外欄の2か所だけです。うまくいかないときは、AIの性能ではなく渡した材料の量を疑います。
本数が増えた先で効いてくるのが目録です。まずは社内で一番ブラックボックスになっている業務を1つ選び、7項目のうち3欄だけを埋めた初版を作ってください。完成品より、直せる初版のほうが先に価値を出します。
現物を扱う工程から始めるなら製造業の作業標準書をAIで作る手順が具体的です。自社の配分をどう決めるか迷う場合は、AIマニュアル構築支援で個別にご相談いただけます。
結論:テンプレートの本体は書式ではなく項目の定義。7項目を固定し、AIに一次案を書かせ、人は判断基準と例外欄だけを埋める。この分担が、書き手を選ばない標準化をつくります。
- 必須7項目:目的/対象者と前提条件/手順/判断基準/例外とNG例/道具とデータの置き場所/更新履歴と管理者
- 形式の選び方:作りやすさではなく更新のしやすさで選ぶ。最初の10本は文書形式、増えたらポータルへ寄せる
- 業種差:骨組みは共通。足す1〜2欄と厚く書く欄の配分だけが変わる。事故の記録は自社にしか書けない
- 続かないときの直し方:初版は3欄に絞る/材料集めではなく口述から始める/置き場と読ませ方をセットで決める




