「その数字、会計ソフトの画面から拾ってきてもらえますか」。開く。探す。コピーする。チャットへ貼る。戻る。同じ往復を、毎朝くり返しています。
接続を1本入れれば、この往復は消えます。ところが、その1本を決めるところで手が止まります。
MCPを入れるところでつまずくのは、たいてい次の3点です。
- 一覧に並ぶ数が多すぎて、最初の1本が決められないまま夕方になる
- 入れたものの使った記憶がなく、消していいのかどうか判断がつかない
- 社内のシステムに繋ごうとして、そもそも繋がる相手なのかが分からない
この記事では、Anthropicの公式ドキュメントと規格側の公式サイトで確認できる事実だけを使い、次のことに答えます。
- 最初に入れる1本を、好みではなく手元の作業から決める方法
- 追加・確認・削除の3つのコマンドと、設定の置き場所3か所の違い
- 繋がらないときに、画面に出た文言から原因を1つに絞る手順
- 会社のデータへ繋ぐ前に引いておく、読み取りと書き込みの線
Saix自身、経営・営業・財務・人事の実務をClaude Codeで回しています。会計サービスやアクセス解析へ接続した実際の画面は、職種別にYouTubeで公開してきました。
支援先で「繋げたのに使わなくなった」という相談も、そのまま材料にしています。接続を組む側であり、毎日それを使う側でもある立場から、机上論ではなく手を動かす前提で書きます。
MCPは、便利そうなものを集めるほど強くなる仕組みではありません。最初の1本は、毎日コピーして貼り付けている画面から選びます。そのうえで、入れる前に外す基準を決めておくことです。使っていない接続は、増えた日ではなく、繋がらなくなった日に手間として返ってきます。
監修者
株式会社Saix 代表取締役
東証プライム上場企業含む100社以上のAI導入支援|リクルートでのAI推進を経て、Claude・Claude Codeを実務で使い倒すメディア「AIエージェント研究所」を運営|YouTubeメディア「かいちのAI大学」4.8万人。
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前提の確認|MCPは買い足す道具ではなく、Claude Codeに最初から付いている接続口

MCPとは、AIと社外のサービスをつなぐための共通の接続規格のことです。規格を公開している公式サイトでは「AIアプリにとってのUSB-Cのようなもの」と説明されています。
Claude Codeはこの規格に対応しています。対応したサービスなら、別のソフトを買い足さずにコマンド1行で繋がります。
費用の考え方も先に押さえます。接続を1本増やすたびに利用料が上がる仕組みではありません。お金が動くのは繋いだ先のサービス側です。
繋ぎたいサービスが有料プラン限定の機能を持っていれば、その条件がそのまま効きます。繋ぐ前に、相手側の料金ページを1度開きます。
最後に1つ。チャット画面のClaudeと、ターミナルで動かすClaude Codeでは設定の置き場所が違います。この記事は後者の手順です。
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何から入れるか|毎日コピーして貼っている画面を、1つだけ選ぶ

結論から言うと、人気の一覧を上から順に試すやり方では決まりません。選ぶ基準は、外ではなく手元の作業にあります。
AnthropicのClaude Codeの接続解説ページは、繋ぐタイミングをはっきり書いています。課題管理や監視の画面から、チャットへデータをコピーしている自分に気づいたときです。
裏返すと、コピーが起きていない画面は繋いでも変わりません。作業が1分も減らない接続は、設定が1本増えただけで終わります。
基準1:コピーの往復が週3回以上あるか。記憶ではなく履歴で数える
まず、直近1週間に自分がチャットへ貼り付けた内容を見返してください。貼り付け元の画面を、サービス名で書き出します。
同じ名前が3回以上出てきたら、それが1本目です。頻度の高さは、そのまま効果の大きさになります。
1回しか出てこない画面は、今回は見送ります。月に1度の作業のために設定を増やすと、次に使うころには接続が切れています。
数えるのは、部下ではなく自分の履歴からです。人に聞くと「よく使うもの」という答えが返り、実際の頻度とずれます。
この数え方には、もう1つの効き目があります。繋ぐ前に、自分の仕事のどこで情報が詰まっているかが見えることです。書き出した名前が5つ以上になる方は、接続より先に、作業の並べ替えを疑う番です。
この内容を自社に当てはめたい方は、無料のAI活用セッションで相談することもできます。
基準2:読むだけで用が足りるか。書き込みは1本目に選ばない
1本目は、読み取りで完結する相手を選びます。数字を読む、予定を読む、過去のやり取りを読む。ここまでなら、失敗しても元の画面が壊れません。
書き込みを含む接続は、運用の取り決めを作ってから足します。誰が承認し、どこまでを人の手でやるかを決めない状態で足すと、止め方が分からなくなります。
基準3:相手側に公式の接続口があるか。無ければ繋がらない
接続口には2つの形があります。1つはMCPに対応した窓口、もう1つはAPI(サービス同士をつなぐための接続口)です。どちらも無いサービスは、今の段階では繋がりません。
Saixがマーケティングの媒体を選ぶときは、この有無を先に見ています。YouTube「Claude Code × CMO マーケ担当役員をAIに任せる方法」でも、新しい媒体を選ぶ基準として、接続口があるかどうかで決めると話しています。
同じ動画の中で、記事の入稿先やアクセス解析・検索の管理画面は相性が良い一方、動画の投稿を自動で回すのは難しいという差も説明しています。繋がる相手から手を付けるほうが、結果は早く出ます。
| 役割 | 毎日コピーしている画面 | 1本目に繋ぐ先 | 効きにくいケース |
|---|---|---|---|
| 経営者 | 口座残高・月次の売上 | 会計サービスの読み取り | 数字を見る前に判断が決まっている |
| 営業 | 過去のやり取りと次回の予定 | メールと予定表 | 顧客情報が紙とExcelに閉じている |
| マーケ | アクセス解析と検索の管理画面 | 解析サービスと記事の入稿先 | 媒体が接続口を公開していない |
| 人事 | 応募者の一覧と面談メモ | 予定表と文書の保管先 | 採用管理が外部サービスに閉じている |
| 経理 | 請求書の発行画面と入金消込 | 会計サービスの読み取り | 承認が紙で回っている |
この表の4列目が、実は1本目を決める助けになります。繋いでも結論が変わらない仕事は、接続の対象から外します。データが手元に来ても、決め方が変わらなければ何も起きません。
経営者が何を相談しているかは経営者がClaude Codeを壁打ち相手にする使い方に、職種をまたいだ使いどころはClaudeを仕事で使うときの全体像にまとめています。
どのMCPが優秀かを比べた時間は、ほとんど回収できません。接続を1本足して減る作業は、多くても1日に数分です。先に効くのは、毎日どの画面からコピーが起きているかを数えること。順番を逆にすると、よく出来た接続が10本並んだまま、仕事は何も変わりません。
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入れ方は3行で終わる|追加・一覧・削除のコマンドと、置き場所3つの違い

操作そのものは短く終わります。覚える形は3つだけです。
手順1繋ぎ先を追加します。名前と接続先の住所を渡す形です。名前は後で自分が呼ぶときに使うので、短くします。
claude mcp add --transport http notion https://mcp.notion.com/mcp
手順2入ったかどうかを一覧で確かめます。追加した直後に必ず通します。名前の横に、接続できているかどうかの状態が並びます。
claude mcp list
claude mcp get notion
手順3作業中に状態を見たいときは、Claude Codeの中で /mcp と打ちます。接続のやり直しや一時停止も、この画面から行えます。
ゴール:一覧に名前が並び、その横に接続済みの印が出ていればOKです
1本目が動いたら、そこで手を止めます。同じ日に3本まとめて入れると、繋がらなかったときの切り分けができません。1本ずつ、使ってみて残すかどうかを決めます。
置き場所を選ぶと、チームに配るかどうかが決まる
設定は3か所のどこかに保存されます。公式ドキュメントではこの範囲を「スコープ」と呼びます。どこに置くかで、その接続が他の人に渡るかどうかが変わります。
| 置き場所 | 効く範囲 | チームに配られるか | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 自分だけ(初期値) | 追加したプロジェクトのみ | 配られない | 試しに入れてみるとき |
| プロジェクト | そのプロジェクトのみ | 配られる(設定ファイルを共有する) | 全員に同じ接続を使わせたいとき |
| 自分の全体 | 手元の全プロジェクト | 配られない | 毎日使う自分専用の接続 |
迷ったら初期値のままで構いません。個人で試す段階の接続を、いきなり共有の設定へ書かないことです。共有に載せた瞬間、止める判断が自分ひとりのものではなくなります。
同じ名前の接続が複数の置き場所にあるときは、片方だけが使われます。優先されるのは自分だけの設定で、次にプロジェクト、最後に自分の全体の順です。
この順番を知らないと、共有側を直したのに動きが変わらない、という詰まり方をします。手元の設定が生き残っているだけです。
共有する場合は、鍵の扱いに1つ仕掛けがあります。設定ファイルの中に鍵を直接書かず、外から値を差し込む書き方が用意されています。
この形にしておけば、ファイルを共有しても鍵は各自の手元に残ります。値が未設定のときは一覧の表示に警告が出るので、繋がらない理由もすぐ分かります。
外し方|消す・止める・読み込ませない、の3つは別物

使わなくなった接続の外し方は、1種類ではありません。戻す予定があるかどうかで選び分けます。
- 消す設定ごと削除します。外部のサービスへ繋いでいた場合、保存していた接続の許可情報も一緒に消えます。もう一度使うなら、許可の取り直しからやり直しです
- 止める設定を残したまま、繋ぎにいかないようにします。切り替えはClaude Codeの中の一覧画面から行い、プロジェクトごとに記録されます
- 読み込ませないチームで共有している設定ファイルのうち、特定の1本だけを受け付けない指定です。ファイル本体には手を触れません
迷ったら、止めるところから始めます。消すのはいつでもできますが、許可の取り直しは相手側の画面を開く手間がかかります。
担当者が辞めた接続だけは、止めずに消します。許可がその人のアカウントに紐づいたまま残るためです。
共有の設定ファイル側を止める指定は、設定項目の一覧ページに項目名まで載っています。会社の端末に配る設定を書く担当者は、ここを1度読んでおくと迷いません。
残したままにすると、次に繋がらなくなった日に全部を疑うことになる
使っていない接続は、置いておいても無害に見えます。実際に困るのは、別の1本が動かなくなった日です。
原因の候補が10本あると、切り分けだけで午前中が消えます。2本しかなければ、5分で終わります。
外す基準は、入れる前に決めておきます。たとえば「ひと月に一度も呼ばなかったものは止める」のように、気分ではなく日付で決まる形にしておくことです。
「気づいた人が外す」は、結局だれも外しません。棚卸しの担当と頻度を先に1人ぶんだけ決めておくと、手が止まらずに回ります。
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詰まりどころ|繋がらないときに見る場所は3つ

ここからが、実際に触っていないと出てこない話です。繋がらない原因は、ほぼ3つに収まります。
原因1:許可が切れていて、使おうとした瞬間まで気づけない
外部サービスへの接続は、時間が経つと許可が切れます。切れても画面には何も出ません。気づくのは、使おうとして返事が来なかったときです。
一覧を出すと、名前の横に状態が並びます。接続済み・認証が必要・接続に失敗、の3種類です。「認証が必要」と出ていれば、切れているのはその1本だけです。
直し方は1行です。名前を指定して、許可を取り直します。ブラウザが開いて許可を押せば、その場で復旧します。
claude mcp login notion
Saixでは、接続が切れていないかを毎朝自動で点検し、切れていたら通知が飛ぶようにしています。切れた事実より、切れたまま何日も気づかないことのほうが実害になります。
この内容を自社に当てはめたい方は、無料のAI活用セッションで相談することもできます。
原因2:書き方が足りず、そのサーバだけ黙って読み込まれない
設定ファイルへ手書きしたときに起きます。接続先の住所は書いたのに、接続の種類を書き忘れる形です。
この場合、手元で動かす形の設定だと解釈され、そのサーバだけ読み込みに失敗します。他のサーバは普通に動くので、1本落ちていること自体に気づきません。
公式ドキュメントは、この状況で表示される文言をそのまま載せています。繋がらない1本があるときは、推測で設定を書き換える前に、表示された文をそのまま検索します。
手で書き足すより、追加のコマンドを使うほうが安全です。コマンド経由なら、必要な項目が抜けた状態では書き込まれません。
原因3:相手側に接続口が無く、そもそも繋げない
これが一番多い行き止まりです。大手のサービスには公式の窓口が用意されていますが、社内の基幹システムや、古くから使っている業務ソフトには無いことがあります。
YouTube「経営者のClaude Code活用事例7選」でも、繋ぎたいツールが対応しているかを先に確かめるよう説明しています。社内独自の基幹システムなどは接続できない可能性がある、という話です。
その場合は、接続をあきらめる判断が要ります。無理に繋ごうとして時間を使うより、別の入口を用意するほうが早く終わります。
実際、基幹システムの側を触らずに、必要なデータを出し入れする小さな窓口を別に作るほうが早いことがあります。触らせる範囲を先に決める考え方はClaude Codeで起きた事故と避け方にまとめています。
自社の場合はいくらになるのか、この機会に出してみてください。削減できる時間と金額を、業務ごとに算出します。
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会社で使うときの注意|読み取りに絞り、鍵は1つのファイルへ寄せる

Saixが会計の数字をClaude Codeに読ませるときは、読み取り中心で運用しています。YouTube「Claude Code × CFO 経理財務担当役員をAIに任せる方法」で説明したとおり、仕訳の登録や払い戻しは頼みません。
AIに数字を読ませても、お金は動かせない。この線を最初に引いておくと、社内での権限の議論が短く済みます。
鍵の置き場も同じ動画で扱っています。接続に使う鍵は設定用のファイル1つへまとめ、そのファイルを共有の対象から外します。プログラムの中に直接書くのは禁止です。
共有の設定ファイルに入っている接続は、使う前に承認を求める作りになっています。誰かが足した1本が混ざっていることもあるため、中身を読まずに承認を通さないでください。
もう1つ、公式ドキュメントが名指しで注意している点があります。外部の内容を取りに来るサーバは、その内容に紛れ込ませた指示をAIが読んでしまうおそれがある、というものです。提供元を確かめてから繋ぎます。
社内へ配る前に決めることは2つです。誰が接続を追加してよいか、そして書き込みを許す接続を誰が承認するか。契約や管理の範囲はClaude Codeを会社で使うときの法人プランと料金にまとめています。
繋ぐ先を選ぶ前に、コピーが起きている作業を1枚に出す
接続の良し悪しを比べる前に必要なのは、毎日どの作業でコピーの往復が起きているかの一覧です。業務を洗い出して優先順位を付けるシートを、オンラインで無料配布しています。
よくある質問
Q. 社内の情報が接続経由で外へ出ることはありませんか
繋いだ先には渡ります。だからこそ読み取りに絞り、渡す材料の側を先に限定してください。提供元が信用できるかを確かめ、鍵は共有しないファイルへ寄せます。書き込みを許す接続は、社内の承認手順を決めてから足します。禁止事項を配るより、渡せる材料を減らすほうが確実です。
Q. いくつまで入れて大丈夫ですか
本数の上限は決められていません。公式ドキュメントは、実際の制限になるのはAIが一度に扱える情報量の余裕だと説明しています。目安は、名前を見て何に使うか即答できる範囲です。多くの方は3本前後で足ります。答えられない接続が出てきた時点が、棚卸しの合図です。
Q. 無料の範囲でどこまで試せますか
接続を足すこと自体に別料金はかかりません。費用が動くのは繋いだ先のサービスです。無料枠があるなら、その枠の中で読み取りだけ試せます。有料の条件が付く機能に触るときは、先に相手側の料金ページで条件を確認します。判断がつかない場合は、そのサービスに問い合わせるのが早いです。
まとめ
最初の1本は、比較記事ではなく自分の貼り付け履歴から決まります。直近1週間でチャットへ貼った内容を見返し、同じサービス名が3回以上出てきたら、そこが対象です。読み取りで完結する相手から始めます。
操作は追加・一覧・削除の3つで足ります。設定の置き場所を選んだ時点で、その接続が自分だけのものか、チーム全員に配られるものかが決まります。共有する場合は、鍵を設定ファイルへ直接書かない形にします。
外すときは、消す・止める・読み込ませないの3つを使い分けます。戻す予定があるなら止めるだけにして、許可の取り直しを避けます。
繋がらないときに見る場所も3つです。許可が切れていないか、種類の指定を書き忘れていないか、そもそも相手に接続口があるか。この順で潰せば、原因不明のまま時間を使うことはありません。相手に接続口が無い場合は、繋ぐこと自体をやめる判断が要ります。
今週やることは1つです。貼り付け履歴を見返して1本目を決めてください。材料はClaude業務棚卸しシートに揃えてあります。職種ごとの使いどころはClaudeを仕事で使うときの全体像が近道です。
結論:入れる基準は人気ではなく、毎日コピーして貼っている画面。外す基準は入れる前に決める。
- 選び方:貼り付け履歴で週3回以上出てくるサービスが1本目。読み取りで完結する相手から始める
- 入れ方:追加・一覧・削除の3コマンド。置き場所を選ぶと、チームに配られるかどうかが決まる
- 外し方:消す・止める・読み込ませないは別物。戻す予定があるなら止めるだけにする
- 会社で使う:読み取りに絞り、鍵は1つのファイルへ寄せ、提供元を確かめてから繋ぐ
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